完全オンライン通信制大学で学ぶメリット・デメリット

本ページでは完全オンライン通信制大学に関する各種メリットやデメリットについて検討いたします。

これまで学士号を取得したことがなく、現在も会社にお勤めの方を本ページの対象としております。

社会人が完全オンライン通信制大学のデメリット

プライベートの時間が少なくなる

通信制大学を卒業するためには所定の単位認定が必要です。

多くの大学では4年間で128単位の修得が卒業の条件となっており、この1単位の学習時間は45時間と大学設置基準第21条で定義されているようです。

あなたの最終学歴によっては64単位ほど免除されるケースがあります。

しかし、その場合でも計算上は次の時間が必要です。

厳密には1年の中で学期末は学習が出来ません。

つまり、1日に3.5時間以上の学習が必要な計算になります。

上記の記事は、私が実際に社会人をしながら2年半で卒業した話をまとめた記事です。

実際には、動画授業で倍速機能で理解できている部分は飛ばすことや、45時間に相当する課題制作などがあるので、実質勉強した時間は思ったよりも少なかったです。

しかし、これから学ぶ内容が全くの未経験の場合、1日3.5時間以上学習しないと追いついていけないことも十分あります。

社会人の通信制大学卒業が数年かかる理由が伝わりましたでしょうか。

学費に対するリターンが長期的もしくは活用しきれない

例えば、現時点で就職をしている社会人が通信制大学を卒業と同時に給料が上がるというケースは基本的にありません。

企業により評価は大きく異なると思いますが、学士号はあくまで通過点であるということを心構える必要があります。

キャンパスライフというものが存在しない

あなたがこれから目指している完全オンラインの通信制大学は、基本的に大学のキャンパスに行くことはありません。

完全オンラインの通信制大学の中でもキャンパスを持っている大学は、無料で施設を使うことが出来るケースもありますが、あくまで学びは自身一人で行うものです。

大抵の授業もe-Leaningという、Youtubeのような仕組みで自身で学ぶことになります。

ここまでデメリットを挙げてきましたが、それに対するメリットも大きいということをご紹介いたします。

社会人が完全オンライン通信制大学のメリット

学割を有効活用することが出来る

通信制大学も立派な大学ですので、学生証が発行されます。

この学生証を使うことで様々な学割の適用が可能です。

• 各種ソフトウェア契約(Adobe Creative Cloud,Microsoft Office,Final Cut Proなど)
• 各種PC・ハードウェア購入(Mac,Microsoft Surfaceなど)
• 各種サブスクリプション契約(Spotify,Youtube Music)
• 雑誌の定期購入(日経ビジネス,PRESIDENT)
• その他店頭での割引

特にAdobe Creative Cloudは通常契約の半額以下になります。

AppleのMacも新作のiPhoneやiPad、Macbookなどが10%ほど安いことがあるので、実際にiPadは学割で購入しましたし、Final Cut Proなどを含む教育機関向けPro Appは学割で購入しました。

上記は私が運営している「マジナライフ」というブログの記事の一つです。

また、お店によっては飲食店や映画館など学割を受けることが出来ます。
実際に私は20代後半のタイミングで、とあるラーメン屋で学割を使ってみましたがOKでした。(もちろん学生証を提示します)

ただし、完全オンラインの通信制大学の場合学割による定期券を買うことはできません。
通学証明書の発行が出来ないためです。

それ以外にも、通信制大学の種類により異なりますが、学内のサービスで日系BPの記事読み放題サービスや、契約している電子書籍読み放題が学費に含まれているケースがあります。

最終的な学費が普通の大学に通った人より安い可能性がある

国立大学と私立大学により異なりますが、安いと言われている国立大学よりも、完全オンラインの方が私立大学であっても安いケースがあります。

例えば、非常に安いと有名な八洲学園大学の場合、4年間の学費は1,055,000円となっています。

参考：八洲学園大学 | 八洲学園大学トップ > 入学をご検討の方 > 学費

上記は安い通信制大学の例ですが、国立大学・私立大学の平均と比較してみます。

国立大学学費と通信制大学学費の比較

1年目支払額	授業料 (標準額)	入学金 (標準額)	合計
国立大学	535,800	282,000	817,800

2年目以降は授業量だけかかると仮定すると4年間の合計は2,425,200円となります。

私立大学学費と通信制大学学費の比較

文部科学省によれば、私立大学の初年度納付額の合計の平均は1,357,080円だそうです。

1年目支払額	授業料	入学料	施設設備費	合計
私立大学	930,943	245,951	180,186	1,357,080

2年目以降は授業料と施設設備費が同等の額と仮定すると、4年間の合計は4,690,467円となります。

ここまでのまとめ

国立大学と私立大学の平均と八洲学園大学の学費の差を取ると2,200,753円となります。

つまり、普通の大学よりも200万円ほど安く学士号を卒業することが出来るかもしれないのです。

自身のスケジューリング次第で効率的に学ぶことが出来る

通信制大学の入学を検討されている方は、きっと大人になってから学習に興味を持たれた方が多いと思います。

通常の大学では基本的に9:00～19:00の間の決まった時間に行われることが多いです。

通信制大学は基本的に自身で好きな時間に学習をすることになるので、自身にとって最も効率的な時間に学ぶことが出来ます。

体質でどうしても夜型・深夜型という人や、早朝に起きて活動を始める方、それぞれパフォーマンスの良い時間に学習をすることで効率的にインプットが行えます。

国内転職時の募集条件を満たすことが出来る

求人における「大卒以上」というキーワードを通信制大学を卒業することで達成することが出来ます。

企業の人事担当を相談してみてください。

多数の求職者がいる中で「専門学校卒」と「大学卒」でどちらも同じくらいの実績や能力だとしたらどちらを取るでしょうか。

転職活動は基本的にこれまでやってきた実績が見られますが、応募者多数の場合は学歴でフィルターされても仕方がありません。

俗にいう学歴フィルターを通り抜けるために、学士の資格が役に立つ可能性があります。

海外での現地採用におけるビザの条件を達成することが出来る

海外の現地採用として働く際に「就労ビザ」が必要になります。

このビザの発行条件の一つとして学士が必要になるケースがあります。

国により発行基準が異なりますが、あなたがこれから海外の現地採用で一発逆転を狙っている場合、学士の資格が役に立つ可能性があります。

MBAに挑戦が可能になる

MBAとは”Master of BusinessAdministration”の略で、日本では経営学修士号と呼ばれています。

MBAはアメリカ発祥で、アメリカにおける企業のCEO4割はこのMBAを取得していると言われています。

MBA習得の前提条件が学士(大学卒)となっているので、通信制大学卒業によって条件を達成することが可能です。

さいごに

ここまでの内容をまとめると次の通りです。

通うことによる時間の支出がありますが、それが投資となり将来の幅を広げることが出来ます。